ジャーナリストから見たケア21~欧州は英語圏~顧問SENSE NO.7

 柳 幸夫

当社顧問 元 読売記者 (柳 幸夫さん)が書いたケア21の理念などを盛り込んだ、エッセーを紹介いたします。

当社の社風を知る手がかりにしていたいただければ幸いです。


欧州は英語圏

顧問SENSE No.7

ヨーロッパの国では、各国で母国語が話されていると思われているなら、それは間違い。オランダではオランダ語と英語を話す地域に分かれ、スイスではイタリア語、英語、ドイツ語、フランス語の4か国語が地域によって使用される。ドイツは教養として英語を話せる人も少なくない。スペインやイタリア、東欧諸国の一部ではジュニアから英語教育を取り入れ、若い人たちを中心に普及している。フランス人は英語が話せてもイギリス人への対抗心から好んで使おうとはしないのはご承知のとおりだ。

多くの国で英語が話されている理由は何か。オランダ語やドイツ語が英語に近い言語であることとか、英語が東欧の言語の母体をなすギリシア語やラテン語に強い影響を受けてきたこととかも根底にあるかもしれない。しかしながら、最も大きな理由は経済的な要因だ。ブリクジットで移民を拒む風潮に象徴されるように、東欧や南欧の多くの国の人々がEUの一員で裕福なイギリスをめざしてきた。言わば、英語はブリティッシュドリームを求めたり、移住して手厚い社会保障を受けたりするためのパスポートのようなもの。英語を手段として仕事や就学先を探す。だが、あまりの移民の多さにイギリス人は仕事を失うなどで辟易としてEU離脱を選択したのだ。

振り返れば、日本へもフィリピンなどからエンターテインメントの分野に、中国から技能実習生として農業や工業の分野に次々若者が来訪した。そして今、小欄でも触れたように介護分野への技能実習生が解禁された。ケア21の外郭学校法人の大阪総合福祉専門学校では今年8月から自国の看護士資格を持つベトナム人を受け入れ、2か月間の初任者研修でヘルパー資格を取ってもらい、10月からケア21の社員として雇用、各施設に配属する。

移民を制限している日本ではイギリスのような状況は生まれにくい。ベトナム人は貴重な人材だ。ベトナム政府もそれに呼応するかのように小学校で第1外国語として日本語教育を始めた。ベトナム人は勤勉で途中で仕事を投げ出すこともなく日本での評判は上々。現在は飲食店やコンビ二、建設業界、新聞配達などの分野で活躍しているが、介護業界でも「人手不足を解消する切り札」として大きな期待を寄せている。そのため、ケア21は将来への投資として位置づけ、渡航費負担や寮費補助など最大限のバックアップをする。そこには外国人労働者を労働コスト低減のための手段として考えがちだったかつてのような功利主義はなく、あるのは介護福祉を後退させたくないという情熱だけだ。

                                 2018.3.14