ジャーナリストから見たケア21~セルビアは親日国~顧問SENSE NO.5

 柳 幸夫

当社顧問 元 読売記者 (柳 幸夫さん)が書いたケア21の理念などを盛り込んだ、エッセーを紹介いたします。

当社の社風を知る手がかりにしていたいただければ幸いです。


セルビアは親日国

顧問SENSE No.5

日本人にとってバルカン半島のセルビアは遠くてなじみがない国かもしれないが、セルビア人にとって日本は遠くて近い国なのだ。セルビアを旅すると、セルビア人が人懐こく英語で話しかけてくる。「日本人か。知っているだろ、日本とセルビアはとても仲がいいんだ。ほらあのバス、両国の国旗があしらってあるだろ、日本が寄付してくれたバスだよ」。聞けば、旧ユーゴスラビアの解体で生まれたセルビアは1999年にNATO空爆を受けたあと経済が低迷。日本が支援に乗り出し、バス寄贈もその一環で新車93台を贈った。

日本からの病院や学校への援助は相当額にのぼる。そんなこととは露知らず、エキゾチックな東欧に物見遊山に来たこちらが気恥ずかしくなった。セルビアの市民レベルの日本愛はさらに熱い。宿泊先で親しくなった青年は「この日本庭園の公園は日本人のボランティアが改修してくれたんだよ」と首都ベオグラード郊外にある公園を案内してくれた。彼の目下の夢は地元の仲間とともに東京マラソンに参加することだという。

介護レベルでも日本とセルビアは協力関係にある。ベオグラードの知的障がい者施設でJICAボランティアとして京都府精華町出身者が活躍、経営指導や公園改修に携わった。他方、セルビア側からも訪問団が精華町内の施設を見学するなどした。セルビアの所得水準は日本の7分の1から5分の1。障がい者施設は少なく、障がい者の世話はほとんど各家庭任せだが、セルビアの出生率は2015年時点で1.46と日本と同ポイントになっている。経済が後れ失業率が高いだけに少子高齢化は深刻だ。欧米や日本のように親の高齢化で障がい者の雇用確保や老人用の施設整備が急務になっている。そして日本の支援は資金の制約が多いNPOレベルから企業レベルになるのは必至だ。

ケア21には、アジアや欧米の中進国や先進国からも施設誘致や運営依頼で多くの引き合いがある。海外進出はまだ検討段階にとどまっているものの、きめ細かなコーチングによる高度な障がい者ケアや介護システムが評価され始めている。そして、ケア21が施設整備や運営、介護ケアを通じて、セルビアのように日本のことを想ってくれる国々と心通わす、真の国際交流の一翼を担う日はそこまで来ようとしている。

                                 2018.2.13