ジャーナリストから見たケア21~古き良き東南アジア~顧問SENSE NO.4

 柳 幸夫

当社顧問 元 読売記者(柳 幸夫さん)が書いたケア21の理念などを盛り込んだ、エッセーを紹介いたします。

当社の社風を知る手がかりにしていたいただければ幸いです。


古き良き東南アジア

顧問SENSE No.4

東南アジアは治安が悪く、日本人が1人旅するにはまだまだ危険なイメージがあるが、日本人が忘れかけている人情も残っている。フィリピンのジプニーとよばれる格安乗り合いタクシーでは、満席時狭い社内での移動は難しく運賃を客同士が手渡しで運転手に届けたり、つり銭を同様に客がもらったりする。運賃やつり銭をごまかすトラブルもない。

中長距離バスではもっとのどかな光景が広がる。NHKの朝の連続ドラマ『ひよっこ』で松尾諭さんが扮したバスの車掌が話題になったが、そうした車掌の切符切りの光景もそのひとつだ。フィリピンやベトナムのバスでは土産物の売り子がバスに乗り込んでくだものや特産品を売りさばいたあと、車掌が乗り込んでパンチング式でチケットの該当料金に穴をあけて客に手渡す。昭和40(1960)年代半ば過ぎまで日本ではごく普通に見られた光景だが、モータリゼーションや少子化、過疎化の進行とともにワンマンバスにかわった。

ではなぜフィリピンやベトナムのような国では今でも車掌が残っているのだろうか。モータリゼーションの後れもさることながら、依然として日本よりはるかに高い出生率や乗車率に支えられワンマンバスにする必要がないのだ。安い労働力と高い出生率に支えられた大家族主義が急成長の原動力というわけだ。対照的に日本では益々少子高齢化が進んでいる。ベトナムやフィリピンの労働力は、地方から都会に集団就職して金の卵と言われた高度成長期の中卒と同じように日本では引っ張りだこだ。

介護業界でも労働力の不足を補うべく、ベトナム人技能実習生の受け入れと介護ロボット導入が現実のものとなりつつある。ケア21でもこうした施策に積極的に取り組み、今年8月からは外郭グループの大阪総合福祉専門学校で介護福祉士養成のための語学講座がスタートする。同時に保育事業にも力を入れている。日本の経済発展を妨げる最大の要因に人口減少を挙げる経済学者もいるが、ケア21では高齢化には介護、看護、少子化には保育と多角的に超少子高齢化時代に抗っている。それは単なる事業者の枠を超えてCSR(企業の社会貢献、又は社会的責務)として各方面から注目を集めている。  

                                 2018.2.2